整骨院で患者さんに感動される仕事とは
この間、人身事故があって大幅に電車が遅れ、社員2名が営業に間に合わないかもしれないということがありました。
その日は早く家を出ていたのですが、私も踏切に捕まり営業ギリギリに到着しました。
別の社員が店舗近くに住んでおり、電車通勤ではないため影響を受けなかったのですが、その社員が「私が迎えに行きます!」と遅れそうな社員を迎えに行ってくれ、そのお陰でいつも通り営業をすることができました。
私は、その社員の行動にとても感動しました。
あなたはサービスを受ける側の時に感動したことはありますか?
今回のケースで言ば、サービスを受ける側ではなかったものの、その裏側を見て社員の仕事ぶりに感動した出来事でした。
整骨院で感動される仕事をするために
整骨院で患者さんに感動されるためには「仕事のクオリティ(質)」を上げる必要があります。
日本は比較的どこに行っても綺麗で、飲食店にしろ、ホテルにしろ、どんな業種でもサービスの質が高いと言われています。
私は治療を受けるのも好きで、知り合いの先生の院に治療を受けに行くことがありますが、どの先生の院もとても綺麗で、スタッフの方々が丁寧な対応をしてくれました。
このように整骨院はたくさんあり、1つ1つの院が丁寧な対応をしていたら、それが当たり前になってきて普通の対応をしていても患者さんに感動されません。
感動されるためには他院と違うことをしなければ感動されません。
その違いを生み出すベースの部分には2つの要素があると私は考えています。
①マニュアルの徹底。
②モラルの強化。
①マニュアルの徹底
どの整骨院にも業務や施術のマニュアルがあるはずです。整骨院以外の業界ももちろんですし、会社だけでなく社会もマニュアル(ルール)に沿って動いています。
マニュアルと聞くと嫌悪感を覚えてしまう人もいるかもしれませんが、会社のマニュアルは、その会社の大切にしている考えに沿って作られており、会社が患者さんに良い施術や接客をするための基礎として作られています。
スポーツにしても勉強にしても基礎がなければ応用ができないように、基礎の徹底はその後に創意工夫をして、さらに良いものを提供するために必要な土台となります。
この土台が強固であればあるほど、その上に乗ってくる部分には多くの工夫を凝らすことができます。
②モラルの強化
モラルとは「マニュアル=土台」の上に乗ってくる工夫の部分になります。
私はモラルを気遣いや心配りとも言います。
・ゴミが落ちていたら拾う
・患者さんが困っていたら手をかす
・患者さんがトイレに入ったらスリッパの向きを変える
これらもマニュアルに載せることはできますが、モラルとはマニュアルに載らない部分で、スタッフ一人一人がその場で患者さんのことを考えて取る行動だと考えています。
ここは、やらされているものではなく、相手のことを考えて行う仕事になってくるので、相手の心に働きかけることができます。
マニュアルの徹底とモラルの強化こそが「仕事の質」を高める重要な要素です。
本当の感動体験を生み出すために
ここまでお話しした内容だけでも、他院との違いを作り出せるし、同じ院で働いている仲間でさえも仕事の質が変わってきて、求められる先生として差が生じてくるはずです。
そしてさらに「あなたのために」を明確にし、そこに強いコミット(決意)をすることで感動される仕事に変化します。
仕事から離れて例えると、友達と旅行に行く時、友達に楽しんでほしい、友達と良い思い出を共有したいと思って下調べをしておくと、その”お友達”はとても喜ぶはずです。
お子さんがいて、子どもと遊ぶ時に”子どものために”楽しい時間にしようと考えたら、スマホをいじらず遊びに没頭しますよね。
何気ないけど、なかなか会っていないお父さんお母さんがいたら”両親のために”LINEをしてみるなどもいいかもしれません。
患者さんを一括りにして対応するのではなくて「あなたのために」を明確にして、その人に合った対応をすることが重要です。
・膝が痛くてゆっくり歩く方にはペースを合わせて歩く
・腰が痛くて曲げられない人のスリッパを片付ける
・買い物してきた袋を持ってあげる
など。
感動される仕事とは、現場にいる先生一人一人が、その患者さんのことを理解し、その患者さんのため”だけ”にする仕事のことです。
そのためには基礎を大切にし、心配りをし、相手のことを考え行動することが大切です。
消費者として、何かのサービスを利用するときに「自分のために」と特別扱いを受けると、とても嬉しいものです。そんな体験を整骨院の中でも提供できると、求められる先生に成長していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社エール
代表取締役 荻野俊